デジタルアセットウォレット「JAXX(ジャックス)」解説:機能性とユーザー評価の全体像

ガイド

一分間で把握するJAXXの概要

JAXXは多彩なデバイスで使用可能なデジタル通貨ウォレットであり、90以上のデジタルアセットを収納できます。ただし、セキュリティ面では強度が高いとは言えず、大量の資産を預ける用途には推奨されません。

2020年現在、世界には数万に及ぶ仮想通貨が存在しているとされ、投資家の中には複数の通貨を保持してチャンスをうかがう者も少なくありません。

複数の通貨を保持する場合、それぞれに適したウォレットを用意する必要があることが頭痛の種となりがちです。JAXXはこの問題を解決し、90以上の通貨を一括で管理できる機能を提供しており、多種多様な通貨を保有する投資家にとって理想的なウォレットです。

この記事では、JAXXの主要な特長とその操作方法についてご紹介します。

ジャックス(JAXX)について:人気ウォレットの概要

ジャックス(JAXX)は、カナダ・トロントに拠点を置くDecentral社が開発したデジタルアセットウォレットです。このウォレットは、イーサリアムの共同創設者であるアンソニー・ディイオリオにより2014年に市場に投入されました。

一時的にJaxx Libertyへと名称が更新された経緯がありますが、本記事では便宜上JAXXと称します。

Decentral社はブロックチェーン技術の普及を目指す企業で、Jaxx Libertyの公式アカウントは4万人以上のフォロワーを抱え、将来性に対する大きな期待を集めています。

サポートする仮想通貨の範囲

2020年3月30日時点でJAXXは90種類以上の仮想通貨をサポートしており、多様なデジタルアセットの保持者にとっては管理の手間を大幅に軽減してくれます。

ビットコインや多数のアルトコインを含む幅広い通貨への対応により、非常に特殊なアルトコインを除いてほぼ全ての仮想通貨をジャックスで一括管理することが可能です。

ジャックス(JAXX)の長所と短所

長所

ジャックスは様々なオペレーティングシステムに対応した使い勝手の良いウォレットです。対応しているプラットフォームは次の通りです。

  • iOS
  • Android
  • Google Chrome
  • Firefox
  • Desktop

ユーザーのニーズに合わせて最適なウォレットタイプを選べるのが大きなメリットです。また、複数のデバイス間での同期も可能になっています。

ビットコイン、イーサリアム、リップルを含む、日本国内であまり一般的ではないイオスやクアンタムなどの珍しい銘柄もサポートしています。対応する通貨の種類を拡大し続けることで、ユーザーのニーズに応えるウォレットと言えるでしょう。

初心者にも扱いやすい直感的な操作性が、ジャックスの魅力の一つです。初めてのウォレットとしても推奨できます。

短所

ジャックスが日本語に未対応であることが欠点です。英語表記のみのインターフェイスを使用するため、英語に不慣れな人には操作が難しく感じられるかもしれません。

また、日本語情報の入手が困難であることも挙げられます。公式Twitterアカウントも英語で運営されており、ジャックスを使用したい場合は英語に親しみを持つ必要があります。

さらに、OSによって対応する通貨の種類に差が出ることがあり、一部の端末ではマイナーな通貨を受け入れないこともあります。

セキュリティ面では比較的弱点が指摘されており、大きな金額の仮想通貨を扱う際は、別のセキュリティが強固なウォレットを利用することが推奨されます。

ジャックス(JAXX)のセットアップガイド

まずは、ジャックスの公式ダウンロードページにアクセスします。

この例では、パソコン用のバージョンをダウンロードします。

次に、以下のオペレーティングシステムから適切なものを選びます。

  • Mac OSX
  • Windows
  • Linux32
  • Linux64

選択すると、ダウンロードが始まり、インストール後ウォレットが自動的に起動します。

ジャックス(JAXX)の基本設定とバックアッププロセス

ウォレットが起動したら、「Create New Wallet」をクリックして新規ウォレットの作成を開始します。

利用規約が表示されるので、内容を確認後「I AGREE」を選択します。

次に、バックアップフレーズの生成に移ります。「Back Up Now」をクリックして進みます。

重要なバックアップフレーズは第三者に見られないように、確実に周囲に人がいないことを確認し、「Start Backup」を押します。

表示される英単語を正確にメモしていきます。「Next four words」をクリックして全ての英単語(合計12語)をメモした後、「Conform Phrase」を選択します。

記録した英単語を正しい順序で選んでいき、「Continue」をクリックすることでバックアップが完了します。

「Jaxx Liberty Home」を押せば、ホーム画面へと戻ることができます。

ジャックス(JAXX)のセキュリティ強化手順

ウォレットを作成した直後は、セキュリティの設定がまだ完了していないため、初期設定後にセキュリティ強化を行うことが重要です。

まず、ホーム画面の右上にある三本線のアイコンをタップします。

次に、表示されるメニューから「Security」を選択してください。

その後、「Security Password」オプションを選びます。

表示される注意事項を読み、同意の上でチェックボックスにマークを入れます。続けて、「Set Password」ボタンをクリックします。

設定したいパスワードを入力し、確認のためもう一度同じパスワードを入力後、「Continue」をクリックします。これでセキュリティ設定が完了します。

ジャックス(JAXX)での送受金方法

ジャックスを使用しての仮想通貨の送金及び受信方法をご説明します。

まず、「Wallets」メニューから送受信を行いたい仮想通貨を選びます。例として、ビットコインを選択することにします。

ビットコインのページで、送金を希望する場合は「Send」を、受信を希望する場合は「Receive」を選びます。

受金の手順

受金を行う際は、受金画面にて表示されるQRコードまたはビットコインアドレスを利用します。QRコードをスキャンするか、アドレスをコピーするボタンをクリックします。その後、送金者にこのアドレスを伝え、ジャックス(JAXX)ウォレットへの送金を依頼します。

送金のプロセス

送金時には、送金画面で受取人のアドレスと送金額を入力します。「Send」ボタンを押すことで、送金手続きが開始されます。

ジャックス(JAXX)のデバイス間同期

Jaxxを使用すると、モバイルとデスクトップのウォレットを簡単に同期させることができます。「TOOLS」メニューから「Pair Devices」を選択し、「Pair / Restore Wallet」をクリックします。

「I UNDERSTAND」ボタンを押した後、同期画面に進み、別のデバイスからQRコードをスキャンするか、バックアップフレーズを入力します。「NEXT」をタップして同期を完了させます。

ジャックス(JAXX)のChrome拡張機能設定方法

ジャックスウォレットは、Chromeの拡張機能としても利用できます。

ジャックスウォレットを追加するには、JAXXウォレットの追加ページへアクセスし、「Jaxx Liberty」のセクションで「Chromeに追加」ボタンをクリックします。

拡張機能を追加すると、ブラウザの上部にジャックスウォレットのアイコンが表示されます。このアイコンを選択すると、ウォレットのログインページが表示され、ここから新規ウォレットの作成や既存ウォレットの同期、復元が行えます。

ジャックス(JAXX)でMyEtherWallet(マイイーサウォレット)にアクセスする方法

ジャックスのアドレスを使用して、MyEtherWalletにログインすることが可能です。ジャックスで直接サポートされていないERC20トークンでも、MyEtherWalletを通じて管理することができます。

バックアップフレーズを使用したログイン方法

バックアップフレーズを使ってのログイン手順は以下のようになります。

1.「ニーモニックフレーズ」を選択します。

2.バックアップフレーズを入力します。

3.「Unlock」ボタンをクリックします。

4.利用可能なデバイスの中からジャックス(JAXX)を選びます。

5.アクセスしたいウォレットアドレスを選択します。

6.「Unlock your Wallet」を選択してログインを完了させます。

秘密鍵を利用したログインプロセス

MyEtherWalletへのもう一つのアクセス方法は、ジャックス(JAXX)の秘密鍵を使用する方法です。ジャックスウォレットの「Tools」メニューから「Display Private Keys」を選択し、「I UNDERSTAND」をクリック後、「Display Ethereum Keys」を開いて秘密鍵を表示させます。表示された秘密鍵をコピーして保持しておきます。

次に、MyEtherWalletを開き、「お財布情報を見る」セクションから以下のステップを実行します。

1.「秘密鍵」オプションを選択します。

2.コピーした秘密鍵をペーストします。

3.「アンロック」ボタンをクリックします。

これで、MyEtherWalletへのログインが完了します。

MyEtherWalletはERC20トークンなど多種多様な仮想通貨をサポートしており、ジャックス(JAXX)で直接対応していない仮想通貨も管理可能になるため、この方法は非常に便利です。

ジャックス(JAXX)が向いている人の特徴

ジャックスの使用方法についてご説明してきましたが、具体的にどのようなユーザーにジャックスが適しているかを見てみましょう。

多種多様な仮想通貨を管理したい方

ジャックスは、90種類以上の仮想通貨をサポートしていることから、多様なデジタルアセットを保持している方に最適なウォレットです。一つのウォレットで幅広い仮想通貨を一元管理することが可能になり、特にビットコインや様々なアルトコインを保有する方にとって、効率的な管理手段を提供します。

少額の投資をしている方

ジャックスはユーザーフレンドリーな設計であり、直感的に操作できますが、セキュリティ面では最強とは言えません。そのため、大量の資産を保有し、長期間保管する目的にはあまり向いていない可能性があります。

日常的に小額の仮想通貨取引を行い、保有量もそれほど多くない方には、ジャックスが適切な選択となるでしょう。

ジャックス(JAXX)利用時の留意点

ジャックスは多様な仮想通貨を一括管理できる便利なウォレットである一方、注意すべきポイントもいくつかあります。

デバイスごとに異なる対応通貨

ジャックスは様々なオペレーティングシステムをサポートしており、幅広いユーザーの要求に応えています。しかし、使用しているOSによってサポートされていない仮想通貨も存在するため、利用開始前には対応状況を確認することが重要です。

例えば、2017年9月時点で、RootStockがiOSではサポートされておらず、Androidを利用する必要がある場合がありました。また、ジャックスが日本語に対応していないため、情報入手が難しい点も留意が必要です。

大額の保有には不向き

ジャックスはホットウォレットで顧客の仮想通貨を保管しており、過去にハッキングによる資産流出の事例があります。このことから、セキュリティ面での弱点が指摘されており、大額の資産を保管する用途には向いていません。

DecentralのCEOも大金をジャックスに保管するリスクについて言及しており、大額の資産はハードウェアウォレットなど、より安全な保管手段を選択することを推奨しています。

両替機能の利用について

ジャックスはShapeShiftという仮想通貨の両替所と提携しており、ウォレット内で異なる通貨への両替が可能です。この機能は利便性が高い一方で、ジャックスの不具合により両替が成立しない場合や、ShapeShift自体が過去にハッキングの被害に遭っていることから、セキュリティ面での懸念もあります。そのため、頻繁な両替機能の利用は慎重に行うべきです。

ジャックス(JAXX)ウォレットの概要

ジャックスは90種類以上の仮想通貨をサポートする高い便利性を持つウォレットですが、利用しているオペレーティングシステムによっては対応していない通貨が存在する可能性があります。また、仮想通貨をホットウォレット形式で保管しているため、最高レベルのセキュリティを提供しているわけではありません。

重要なのは、大量の資産をこのウォレットに預けないことですが、その点を踏まえれば多数の通貨を一元管理できるユーザーフレンドリーなウォレットです。ただし、日本語に未対応なので、情報を得るためには英語の理解が求められます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました