MACDの調整値と利用法
MACDの算出に用いられる指数平滑移動平均、略してEMAは、過去の価格データに基づきつつも最新の価格変動を重視する独自の計算手法を用いた値です。
MACDの計算は、短期のEMAから長期のEMAを引いた結果によります。そして、その平均値を表すシグナルラインは、MACDに設定された期間でのグラフ化された平均です。
MACDを活用した取引例
例えば、①の地点でゴールデンクロスが形成された場合、その時点で購入し、②のような上昇トレンドを捉えることが可能です。デッドクロスが近づいた③のタイミングで売却すれば、利益を最大化できます。
その後、MACDとシグナルラインが下降する中で、④で再びゴールデンクロスが発生し、⑤の価格上昇を捉える機会があります。
MACDの使用上の留意点
レンジ相場では効果を発揮しづらい
MACDはゆるやかな市場変動やレンジ相場には適していない分析ツールです。このような相場環境では、一時的にシグナルが現れるものの、方向性が定まらず取引が難しい状況が続きます。
また、市場が急動する場合、MACDやシグナルラインに使われるEMAやSMAが過去の価格の平均を示しているため、即時の市場変動に対して反応が遅れがちです。
取引を行う際は、極力トレンドのはっきりした市場でMACDを利用することが重要です。全てのテクニカル分析同様、シグナルが示されたとしても必ずしも市場が予想通りに動くとは限らないため、注意が必要です。
ダマシに対する注意
特にレンジ相場や緩やかなトレンドでMACDを用いた際に注意したいのは、ダマシです。これらの状況で現れた売買シグナルは、通常のトレンド相場で見られるシグナルに比べ信頼性が低く、場合によっては損失を招く可能性があります。
方向性が定まらない市場では、弱いシグナルやダマシが頻発するため、大きなトレンドを見極め、逆方向に動いた際は迅速に損切りを行うなどの対策が求められます。
ダマシとは、テクニカル分析で売買シグナルが示されているにも関わらず、予想と異なる方向に市場が動く現象を指します。ダマシは避けがたい頻発する現象であり、多くの投資家が直面する課題の一つです。
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